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宝川 卓也さん 76期


 「我ら トヨラを巣立って50年」


 我々76期は今年度卒業後50周年を迎えた。みんなそれぞれそれなりに落ち着いた先で根を張り、関係を築き、社会にもそれなりに貢献して来たと密かに自負もしている。当然この半世紀『無傷』だった者は誰もいない。夢を諦めた者もいる、あきらめざるを得なかった者もいる、大切な存在を失った者もいる、身体を心を壊した者もいる、未だに精神をすり減らすような重責に耐えている者もいる、亡くなった者もいる、時には思い出に浸ることもある、でも今また新たな一歩を踏み出そうとも思う・・・そんな50年の塊が、次の歌になった。


 

『想い出が落ち着くところ』

遥か遠く いつか遠く

霞み行く あの日の街

足を止め 思い出す

手がかりを 探している

変わり行く街並み すれ違うスカート

居場所の下宿の跡 車が六台

何を想う 今この時に

振り返り歩き出す


今はなお 今もなお

書き続ける 熱い想い

伝えたい 言葉たち

落ち着く場所を探してる

言い忘れた言葉が 浮かんでは消える

机の落書き帳 挟まれたクローバー

止まった時 今動き出す

想い出に刻まれる


嗚呼 愛しき街

嗚呼 愛しき日々

嗚呼 愛しき人たち

瞼に 横たえる

想い出に 横たえる・・・



 

 一方、世界に目を転じてみると、国際情勢もこの半世紀で大きく変化(退化?)して来たと思う。「もうないだろう」と信じていた戦禍が今再び繰り返されている。民主主義は衆愚政治や宗教・民族対立の流れを止められず、それをあざ笑うかのような都合のいい言い訳や論理が世界でまかり通っている・・・そして人々が砲弾に砕け、瓦礫に埋まっていく・・・「私たちはいったい何を学んで来たんだろう?」その問いが厳しく私たち自身にも投げかけられている。やむに止まれず、そんな思いも歌になった。


 

『歌に力を』

届かない声が聞こえてくる

見えない涙が見えてくる

聞こえないため息が私に届く

「生きて」「生きて」と 私はつぶやく

届いてほしい 私の歌が

届いてほしい 私の想いが

力が欲しい 強い力が

言葉に力を 歌に力を


肩を寄せ合う地下室の人

炎に追われて逃げ惑う人

瓦礫の下には愛する人が

言葉を失くした子どもたちが叫ぶ

届けてほしい 私の歌を

届けてほしい 私の想いを

力が欲しい 負けない力が

愛に力を 勇気に力を


私たちは何を学んで来たんだろう?

繰り返される歴史を

今 見てるだけなのかも・・・

ただ見てるだけなのかも・・・知れない


力が欲しい 強い力が

言葉に力を 歌に力を

力が欲しい 負けない力が

愛に力を 勇気に力を




 

 私は、井上陽水さんを聞き始めた高校1年の時からシンガーソングライターに強い憧れを抱き続け、やっと60歳定年後に北九州市小倉の老舗ライブハウス『フォークビレッジ』で歌い始めた。それから7年、この間老若男女様々なアマやプロのアーティストとステージを共にさせていただき、同レーベルよりオリジナルCDも2枚リリースしていただく幸運にも恵まれた。公表できるオリジナル曲も30曲を超えた今年からは長年の夢であった「シンガーソングライター」を名乗ることにした。今だから紡げる言葉、今だから奏でられる旋律を探りながら、私なりにこれまでの50年を総括し、これからの貴重な日々・未来への希望を表現し発表して行くことをライフワークと定めた。

(現在YouTubeに87のカバー・オリジナル曲動画をUpしています。前出の2曲もその中に収録してあります。視聴していただければ幸甚に存じます)※Taku Taka(@takutaka2165)


これからの新たに『トヨラ』を巣立ってゆく後輩達の50年に幸多かれと心より祈ります!

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